- とむらびトップページ
- 新着情報
- 散骨後の後悔を防ぐポイント 分骨や条例への理解を深めよう

2022年10月31日(月)
- 葬儀後の供養について
散骨後の後悔を防ぐポイント 分骨や条例への理解を深めよう
散骨後の後悔を防ぐポイント 分骨や条例への理解を深めよう
散骨はその関心の高まりとは裏腹に、実際に執り行った経験がある方はまだ少ないのが現状です。そのため、弊社でも「散骨について話を聞きたい」とご相談を受けることがあります。
散骨は一度行うと取り返しがつかないため、後悔を感じるとその解消は非常に困難です。今回は、散骨にまつわる後悔と、後悔を防ぐためのポイントについて解説していきます。
散骨後の後悔は取り返しがつかない
散骨は自然葬の一種で、海や山などで粉骨した遺骨を撒くことで故人の供養とする葬送のかたちです。自然回帰や費用面でのメリット、お墓の継承問題の解消などを背景として、人気を集めています。
一方で、散骨はまだ身近な文化とはいえません。一般社団法人「全国優良石材店の会」が2020年に実施した調査によれば、「散骨に立ち会ったことはあるか」という質問に対して、「ある」と解答したのはわずか2.1%となっています。
参考:https://www.zenyuseki.or.jp/pr/details.html?id=199
そのため、散骨を経験してみると想像していなかった後悔を感じることがあります。散骨の最大のデメリットは一度行うと取り返しがつかないことであり、その後悔を取り除くことは非常に困難なため注意して執り行う必要があります。
散骨による後悔の具体例

SONY DSC
ここからは散骨による後悔の具体例を紹介していきます。
お参りする対象が失われる
散骨で最も多い後悔は、残された人たちのお参りについてです。遺骨をすべて散骨してしまうと、残された家族や友人たちには手を合わせる対象が残りません。法事やお盆などでお墓参りができないことは、思いのほか戸惑いや後悔を生むものです。
グリーフケアの観点からも、手を合わせる対象がないと、故人へ思いを馳せて立ち直っていくきっかけが失われてしまうかもしれません。
グリーフケア:死別からの立ち直りや自立に対する支援・援助
散骨は故人の強い希望で執り行われることが多いですが、残される方々すると戸惑いや後悔を生みやすい葬送であることをよく理解しておく必要があります。
散骨場所の後悔
上の「お参りする対象が失われる」とも関連しますが、散骨後はお墓参りの代わりとして散骨場所に足を運ぶことがひとつの慰霊の方法となります。
ただ、故人の希望を優先して遠方の故郷や海外などで散骨を行うと、遺族が足繁く通うのも困難となります。とくに年齢を重ねるごとに遠距離の移動は難しくなっていくため、散骨場所に後悔を感じる例は少なくありません。
親族とのトラブル
散骨は故人の意志のみで決めてしまうと、親族間のトラブルに発展する恐れがあります。とくに倫理観でのすれ違いで「遺骨を残さないなんてとんでもない」と考える方は少なからずいらっしゃいます。
戦没者を日本へ帰すために並々ならぬ努力が続いているように、遺骨をお墓へ埋葬することが安寧であるという考えは、日本で広く浸透する考え方です。
散骨は一度行えば取り返しがつかないため、親族間で大きな隔たりを生んでしまう可能性もあります。
地元住民などとのトラブル
現状で散骨は、その行為を禁止する法律がないというグレーゾーンの解釈のもとで行われています。そのため、自治体によっては散骨を制限する条例を定めており、とくに観光地や漁場などで勝手に散骨を行うと、損害賠償を請求される恐れもあります。
※散骨に関する法解釈については「海洋散骨の違法性について 自分で行うと条例違反とになる可能性も」で詳しく解説しています。
散骨後の後悔を防ぐためのポイント
散骨後の後悔を防ぐためには、どのようなことに気を配ればよいのでしょうか。いくつかのポイントをお伝えします。
分骨を検討する
散骨による後悔を防ぐためには、一部の遺骨を残し、手元供養などを検討してみましょう。そもそも散骨は、必ずしも全ての遺骨を撒かなければいけないわけではありません。一部の遺骨を残しておき、お墓へ埋葬したり、手元供養を行ったりする方も多くいます。
遺骨を分けることに抵抗感を持たれる方がいますが、実は仏教としても分骨に問題はありません。お釈迦様の遺骨は8つに分骨されているからです。ちなみにそのうちの一柱は、日本の覚王山日泰寺に祀られています。
「分骨した遺骨をどうすれば良いかわからない」と戸惑う方もいらっしゃいますが、近年は散骨の普及やお墓を持つのが難しくなってきたなどの事情から、手元供養にまつわる商品が数多く誕生しています。
以前までは、遺骨を自宅に安置し続けることにネガティブな印象を持たれがちでしたが、近年の手元供養品は一見すると「インテリアにしか見えない」「アクセサリーにしか見えない」といったものが多く、来客時でも説明しなければ気づかれないほどです。
親族の理解を得ておく
散骨を希望される場合は、生前のうちから親族の理解を得ておき、トラブルが起こらないように準備しておきましょう。
自身がなぜ散骨を希望するのか、どこに散骨してほしいのかなど、明確な意志を伝えて理解を得ておくことが大切です。場合によっては「遺骨の一部を家族のお墓へ納骨する」「樹木葬へ切り替える」などの妥協点を見いだすことも必要となります。
また、確実に散骨を行ってもらうために遺言書を作成しておくと安心です。
ルールや専門業者についてよく調べておく
散骨は法律上のグレーゾーンで行われるため、公共の福祉に準じ、節度を持った振る舞いが求められます。また、条例によって散骨を制限する地域もあるため、事前の下調べが欠かせません。
基本的には、アテンドなどを含めて専門業社へ依頼するのがよいでしょう。とくに散骨にあたって必要となる粉骨作業は、業者を頼らざるえません。信頼できる業者を選び、後悔のない散骨となるよう下調べを怠らないようにしましょう。
まとめ
「全国優良石材店の会」の調査によれば、将来的に散骨を行う人の数は10倍以上に増える可能性もあるといいます。ただし、散骨はこれまでの納骨を前提とした文化とは大きく異なるため、思わぬ後悔を引き起こす可能性があることを忘れてはいけません。
弊社「とむらび」では葬儀後のアフターフォローも承っております。散骨や手元供養品などの仏具についてのお悩みも、お気軽にご相談ください。