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2022年11月8日(火)
- 葬儀後の供養について
手元供養は良くないこと? メリットやトラブルへの対策方法を解説
手元供養は良くないこと? メリットやトラブルへの対策方法を解説
様々な事情から「お墓を持つことが難しい」という方が増えており、弊社「とむらび」でも手元供養についての相談を承ることがあります。
なかでも多いのが「手元供養は良くないこと?」という質問です。新しい供養のかたちであるがゆえに、様々な点から問題を指摘されることがあります。
今回は手元供養は良くないことなのかについて、解説していきます。
手元供養とは
手元供養とは、遺骨の一部または全てを身の回りに置いて供養することです。手元供養が広まったのは2000年以降と言われており、近年になって普及した新しい供養のかたちといえます。
手元供養の種類は豊富で、ミニ骨壺やモダン仏壇、遺骨アクセサリーなどが代表的です。
遺骨を身の回りに置くというと暗い印象を受けるかもしれませんが、一見すると遺骨が入っているとは思えない、デザイン性に優れた品が人気を集めています。
手元供養が広まる背景
手元供養が広まった理由として、少子高齢化や核家族化の影響によってお墓を持ちにくくなったことが挙げられます。
都市部を中心としたお墓不足や、田舎のお墓を様々な事情から承継できないといった問題から、自宅で遺骨を安置する方が増えているのです。
手元供養が広まるのと時期を同じくして、家族葬や一日葬などの新しい葬儀も普及しています。葬送に対する価値観が大きく変化するなかで、手元供養も浸透しているのです。
遺族の意志で選ばれることが多い
手元供養は故人の意志ではなく、遺族側の希望や都合で選ばれることが多い供養です。
そのため批判などを受けやすい側面があり、「手元供養は良くない」といった指摘がしばしば挙がります。故人の意志は遺言を始めとして尊重される傾向にありますが、遺族側の希望だと「故人が成仏できない」といった批判を受けやすいのが現状です。
手元供養は良くないこと?
「遺骨はお墓に埋葬するのが常識であり、手元供養は良くない」という印象を持たれがちです。ここでは「手元供養は良くない」という指摘について、その根拠は正しいのか確認していきます。
法律的に問題視される
手元供養は「法律的に問題があるのでは」と疑われやすく、良くないことと思われがちです。しかし実際は、手元供養に法的な問題はありません。
まず前提として、「墓地、埋葬等に関する法律」の第4条では「埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない」と定められています。これにより、たとえ私有地であっても、墓地以外で遺骨を埋葬することが禁止されています。
※「墓地、埋葬等に関する法律」が制定されるよりも以前に「みなし墓地」として認可されている場合はその限りではありません。
ここでポイントとなるのは、以下の2点です。
・「遺骨はお墓に納骨しなければならない」という法律はない
・「埋葬」は禁止されるが、「安置」は禁止されていない
とくに注目すべきは、墓地以外での「埋葬」の禁止が明文化されている一方で、「安置」は禁止されていないということです。
つまり、骨壺や仏壇などの手元供養品を用意し、自宅に遺骨を安置し続けることに違法性はないということです。
分骨に対する忌避感
遺骨をお墓と自宅などに分けて安置すること(分骨)に対して、体を分割するような忌避感を覚える方がいらっしゃいます。しかし、実は仏教においてもお釈迦様の遺骨は8つに分骨され、世界各地で安置されています。
その他の宗教でも、遺体の一部を「聖遺物」として信仰の対象として扱う風習があり、分骨は宗教的行為として古い歴史があるといえます。
粉骨や加工に対する忌避感
手元供養では多くの場合、遺骨をそのままの状態で安置するのではなく、遺骨を粉砕するなどの加工を行います。こうした遺骨を砕いたり、加工したりする行為が生理的に認められないという方は少なからずいらっしゃいます。
粉骨などの行為はカビ対策や省スペース化などが目的となっており、多くの手元供養で実施されます。このような行為に対して「良くない」と感じる感情については、残念ながら理解を得るのは難しいといえます。
手元供養のメリット
「手元供養は良くない」といった指摘がある一方で、手元供養でこそ得られるメリットも存在します。
お墓の費用・負担が必要なくなる
お墓にかかる費用は年々安くはなっていますが、一般的なお墓を購入しようとすると、現在でも100万円以上のお金が必要となります。
その点、自宅に遺骨を安置しておくことに対して費用はかかりません。手元供養としてデザイン性の高いミニ骨壺などを購入しても、出費は数万円程度に抑えられます。
また、お墓を購入すると手入れや檀家として活動など、様々な負担がかかります。こうした負担を気にしなくてよくなるのは、大きなメリットといえるでしょう。
グリーフケアとしての手元供養
手元供養は、故人との突然の別れを受け入れられない場合に選択されることがあります。喪失感や後悔の念などによってお墓への納骨ができず、グリーフケア(死別からの立ち直りや自立に対する支援・援助)としての一環として手元供養が選ばれるのです。
故人をいつまでも身近に感じられるという意味では、手元供養は唯一無二の供養のかたちであり、新しい選択肢として広く認知されるべきといえるでしょう。
手元供養のトラブルを避けるための方法
手元供養では、親族などから否定的な声が届く場合があります。ここでは、その対応策について解説します。
文化的・法律的な背景を伝える
前述のとおり、手元供養は法的にも問題はなく、宗教的にも歴史のある供養です。また、グリーフケアのひとつとしても意義深いものとなっています。
こうした文化的・法律的な根拠を伝えることで、否定的だった親族にも納得してもらえることがあります。感情論で言い争うのではなく、明確な根拠を示すことが重要といえるでしょう。
分骨を検討する
故人の「家のお墓に入りたくない」といった希望から手元供養を選択し、親族間でのトラブルに発展した場合などでは、分骨を検討するとよいでしょう。もともと手元供養は、散骨を始めとした別の埋葬方法と合わせて行われることが少なくありません。
具体的には、遺骨の一部をお墓に納骨したうえで、残りの遺骨で手元供養を行うといった方法を取るとよいでしょう。
まとめ
「手元供養は良くない」という指摘は、実はよくよく掘り下げてみると根拠のない思いこみであることがわかります。
一方で、金銭面やグリーフケアの観点から手元供養を選ばざる得ない場合もあり、手元供養を正しく理解して受け入れていく姿勢が求められています。
弊社「とむらび」では葬儀後のアフターフォローも承っております。手元供養品などの仏具についてのお悩みも、お気軽にご相談ください。